会社の気になるあれこれ・・・その2
●社員の健康と安全配慮
裁判例の中では、脳・心疾患による死亡以外の場合についても死亡にいたる経過等から、会社の安全配慮義務を認めて、社員の遺族から会社に対する損害賠償請求を認める例も現われています。
たとえば、引越し運送業務に従事している運転手が、運転業務中に居眠り運転して事故を起こし死亡したのは、会社が「従業員を運転手として使用するに当たり、自動車の運転という高度な注意義務の要求される業務を中心的な業務内容とするものであるから、運転手がかかる注意義務に応じた集中力を維持した上で業務に従事できるよう就労環境を整えるべき注意義務」(安全配慮義務)を負っていたのに、会社がこの義務に違反していたため、運転手は慢性的な疲労状態にあり、居眠り運転を起こして死亡したとして、会社に対する損害賠償請求が認められた例です。
また、社員の自殺について、社員が常軌を逸した長時間労働によりうつ病になり自殺したとして「被告は、雇用主として、その社員である一郎(仮名)に対し、同人の労働時間および労働状況を把握し、同人が過剰な長時間労働によりその健康を侵害されないよう配慮すべき安全配慮義務を負っていた」として、上司が健康の悪化を知りながら労働時間軽減等の措置をとらなかったことなどから、会社に対する損害賠償を認めた例もありました。